意外にも、宗教に関する映画は多い。主人公が有名であり、また多くの集客を予想できるからだろうが、宗教には「信じること」が根底にあるので、劇に必須の信じることに通じるからだと私は思う。
日本で、2本作られているのは、日蓮宗の日蓮上人で、大映の『日蓮と蒙古大襲来』は、スぺクタクル映画でもあり、非常に面白かったが、錦之助が日蓮を演じた松竹の『日蓮』もかなりよい映画で、監督は中村登だった。
意外にも親鸞も3本あり、東映での中村錦之助主演の正・続の2本と、三国連太郎監督の『親鸞・白い道』がある。
空海もあり、北大路欣也主演だが、初めは勝新太郎の主演が予定されていた。
だが、勝は、空海は唐から、仏典だけではなく、春本や春画も持ってきたはずだとし、
「それらに向かって自慰して精液をびゆんびゆん飛ばしてやる」と大演説し、関係者は参って、ご辞退いただいたそうで、北大路になったのは、実に残念なことだと思う。
近代以降だと、やはり創価学会で、『人間革命』の正・続の2本は、非常に面白く、丹波哲郎の演説映画でもある。
大川隆法が亡くなった幸福の科学もアニメを含めて3本あるが、どれもいまいちな出来で、到底創価学会には及ばない。
近代では、天理教の映画もあり、中山みきを主人公とする映画『扉は開かれた』で、監督は大映の田中徳三で、主演は木村理恵だった。
丹波哲郎は、よく知られているように『大霊界』等を作っていて、見たことがあるが、あまり面白くなかった記憶がある。