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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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200万円で売った権利を60億円で買い戻す

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金沢の金沢文庫から横浜シーサイドラインに乗って新杉田に行くと、1980年代にやった土地の買収を思い出す。

それは、磯子区新杉田駅前の、今は公園、スポーツセンター等になっているところである。

ここは、実は1950年代に横浜市が埋立権を持ち、工事をやっている場所だった。

ところが、当時は、根岸湾の埋立はなく、本牧ふ頭もなかったので、東京湾の荒海が、ここに集中していて、ある時の台風で、護岸が何度も破壊されて横浜市は困った。

その時、野毛の横浜国際劇場や野毛山の迎賓館等を持っていた、桑島一夫氏が設立した財団が、海洋性レジャー基地等建設の計画を持ってきた。

そこで、横浜市は、埋立権を200万円で、この財団に売却してしまったのだ。

このことについて、当時横浜市財政局におられた岡本坦さんに、パシフィコ横浜にいた時にお聞きしたことがある。

岡本さんは、次のようにおっしゃられた。

「年末の職員のボーナスが払えなかったので、売ってしまったんだよ」

その後、この財団と桑島氏の事業が不振となり、財団の持つ埋立権は、西武に売られた。

             

そこで、西武は、ここにゴルフ練習場、自動車教習所、西武農園の店等を作って利用してきた。

ところが1980年代に、ここに首都高と国道357号線が横断して、磯子から金沢に行くことになった。

そして、私は、港湾局の管財係長として、この西武の土地の買収を担当することになった。

交渉の結果、60億円で買収することになった。

どこに法的に問題点はないのだが、結果としては200万円で売った権利を60億円で買い戻したのだ、横浜市は。


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