一昨日に見た「ノア美容室」の、美容と理容だが、これは国家試験資格の合格が必要で、開業には保健所の許可がいる業種なのである。
昔、ある保健所にいたとき、理容室の開業許可に立ち会ったことがある。
結構、さまざまな事項がチェックされるもので、担当者が厳しい人だったので、いろいろ言うと店の者と喧嘩しそうになった。
それは、その店が、低価格で組合に加入しないチェーン店の一つだったので、それを妨害してるのではと店の人が誤解したように見えた。
別に、保健所が、非組合店を妨害している事などないのだが。
その後、係長に、「なんで理容、美容は、こんなに厳しい許可をしているのか」聞いてみた。
彼の答えは、「首から上のことで、なおハサミや剃刀などの危険な物を使っているからでしょう」とのことだった。
ちなみに、エステや全身美容等は、一応首から下なので、許可はいらないのである。
その通り、イギリスでは、ロンドンの床屋が、妻を殺された復讐に、理容店の客の首を切って肉をパイにしたという実話、『スイニー・トッド』という劇もあったくらいだ。
この『スイニー・トッド』は、日本では帝劇で、松本幸四郎が鈴木忠志の演出で上演した。
これは、成功だったので、帝劇は続いて鈴木に、作・演出を依頼した。すると彼は、ギリシャ悲劇を基にした『悲劇』をやった。
これは、実にすごいもので、鳳蘭などの元宝塚の女優を見に来た大半の観客は、まったく声も出ず、休憩になるとロビーに出て、一斉におしゃべりをするという公演だった。
なにしろ、赤褌姿の小田豊などが、ちあきなおみの歌『さだめ川』で踊り狂うといった表現だったのだから。