近代史で、一番奇妙だったのは、1933年にナチスがドイツで政権を取ったことだろう。
この時、ソ連のスターリンは、ドイツの社民党ではなく、ナチスの方に共感があったようだ。
実におかしなことだが。
そして、このヒットラーをはじめとするナチスの首脳は、非常に変な連中だった。
ヒットラー自身が、ものにならなかった芸術家で、ゲッべルスも世に出られなかった作家だった。
要は、相当に異常な連中が政権についたのだが、それだけドイツ社会の荒廃がひどかったということだろう。
既存の政治家ではなく、別の人達に、というのがドイツ社会にあったのだろうと思う。
その点、日本の東條内閣に代表される軍人政権も、陸軍大学出の秀才等で、日本社会の上部にいた連中達だった。
だが、問題は、日本の政治家が、ドイツのナチスの快進撃に欺されたことだ。
そして、実にひどい話なのだが、日本と中国との戦争において、実はドイツは、中国を支援していたのである。
理由は、中国は、沢山のドイツの兵器を買ってくれたからで、さらにドイツの軍事顧問団も受け入れていて、彼らの指導によるトーチカ戦は、日本軍を上海事変等で、大いに悩ませたのである。
この苦戦の結果が、「南京虐殺事件」にもなったとも言われている。
こんな連中と後には、「三国同盟」を結んだのだから、本当に日本の政権はものが見えていなかったのだ。