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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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なぜ時代劇は人気があるのか

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私も、今はテレビで見るのは、『剣客商売』『御家人斬九郎』などの時代劇である。

その理由を考えてみると、やはり時代劇の台詞や所作が、馴染みになるからだろうと思う。

『剣客商売』では、元東京キッドブラザースなどで、洋物ミュージカルを演じていた俳優の三浦浩一が、和服を着ていて結構様になっているのには、本当に驚く。

さて、私の父は、大田区で小学校の校長をやっていて、そこでは当然にも背広を着ていた。

だが、家に戻ると、和服に着替えていて、パンツではなく、褌をしていた。

そこで、思い出すのは、昔、日本のコンベンションビューローの総会で聴いた、ロシア語通訳の米原万里の講演だった。

彼女の父は、日本共産党の国家議員米原昶で、国際通だったので、チェコスロバキアの世界共産党の事務局にもいたという「国際派」だった。

だが、米原万里によれば、父親の米原昶氏は、褌だったそうだ。

明治維新以後、日本は近代化したわけだが、家の中などの生活では旧来だったのだろうと言うことだ。

日本の映画でも、1960年代まで、女優は独身時代は洋装だが、結婚して家に入ると和服になると言う仕来りがあった。

                     

映画『君の名は』の氏家真知子の岸惠子は、後宮春樹の佐田啓二と恋している時は洋装で、真知子巻きだが、川喜多雄二と無理矢理結婚させられると、和服、着物に替っていた。

つまり、1960年代まで、日本の社会は近代化したが、家の中は江戸時代以来と変わりなかったと思う。

その意味で、未だに日本のわれわれには、時代劇的様式が馴染み深いということだろうと思う。


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