『悪い奴ほどよく眠る』の映画版とテレビ版との違いについて書く。
一番の大きな違いは、主人公の三船敏郎、テレビでは村上弘明が結婚する公団総裁森雅之、テレビでは中野誠也の家族である。
映画では、香川京子の兄は三橋達也だが、テレビでは岩井なおみの姉がとよた真帆で、村上とも関係があったとされていて、さらにとよたは、父親の中野とも関係があったとなっていた。
この辺は、時代の差だろうか。
もう一つ、大きな差は、映画では三船敏郎には、友人で協力してくれる加藤武がいるが、テレビ版ではいないことだった。
これは、村上を孤独なヒーローとするためだったのか、よくわからない。
そして、最後は、映画版では三船は、藤原釜足などの老人によって捕まり、交通事故とされて殺されてしまう。
だが、テレビ版では、村上は殺されず、岩井と幸福に生きていくことが示唆される。
また、中野は、総裁の職を辞するが、政界再編成に当るというのは、少し変だと思う。
公団総裁の程度の人間が、政界再編成に乗り出すとは、あまり意味のないことだと思えたのだ。
いずれにしても、協力黒澤プロダクションとなっていて、松竹版の『野良犬』の時と同様、黒澤プロダクションは、あまり財政的に余裕がないのだなと思った。