「公明党も堕落したな」と言ったのは、1984年春の統一地方選挙の時、大久保英太郎横浜市会議長が言った言葉である。
大久保氏は、社会党でありながら、横浜市会議長を4年も務めた方で、私は最後の半年間、公的秘書としてお付き合いした。
非常に頭の良い方で、挨拶など、話の非常に上手い方でもあった。
当時、横浜市長は、飛鳥田一雄氏から細郷道一氏に替った時で、細郷氏はそれほど演説の上手い方ではなかったので、かなり対照的だった。
この選挙の時は、公明党は、それまでの社会党との協力から、民社党との共闘に乗換えた。
その結果、それぞれ少数だったが、公明党は議席数を減らし、逆に民社党は増やしたのである。
選挙に詳しい大久保先生によれば、選挙に素人の公明党は、民社党に欺されただとのことで、結果から見ればたしかにそうだ。
そして、言ったのが「公明党も堕落したな」である。
日頃の大久保先生の言動から見て、「社会党は、もっと堕落しているのでは」と思ったが、もちろん言わなかった。
だが、いずれにしても、当時は、党派を越えて、「公明党は、庶民の味方だ」との見方があったのだと思う。
その後、現在の自公体制を見たら、大久保先生は、なんと言われるだろうか、と思う。