NHK総合の『歴史探偵』なる番組で、『米騒動」を扱っていた。
1917年夏に富山で起き、全国に波及した米騒動は、近代史に大きな影響を与えた事件だった。
陸軍の出動と戒厳令でやっと収まり、寺内内閣が倒れた事件で、その後にできたことは、三つある。
一つは、日常食料品の流通の改良で、法によって各大都市に中央市場が設立された。
さらに根本の米穀の流通制度の改革だったが、これは結局戦争期までできず、最後にやっと食糧管理制度になる。
もう一つは、同和事業で、大阪、京都、奈良等での「米屋の打ち壊し」に、いわゆる被差別部落の人間が多数参加していたとのことで、政府は、これに大変に恐怖し、そこで同和事業を始めたのだ。
皇室の誰かは言ったそうだ
「日本もロシアのようになるのか・・・」と。
この時期に、ロシアでは革命が起きていて、ソビエト社会主義政権ができていたのだ。
日本の歴史では、この大事件をあまりきちんと教えないのは、どうしたことだろうか。
映画では、言うまでもなく今井正監督の『続・橋のない川』があるが、加藤泰が唯一東宝で監督した『日本侠花伝』にも、神戸の鈴木商店の焼き討ちが出てくる。