1979年の東映の正月映画で、シリーズ七作目。
たぶん、このシリーズは一作目も見て、なんて下品なんだろうと思った。
それに、この菅原文太の相手役の愛川欽也のいやらしさ、私は昔から大嫌いだった。
愛川欽也が嫌いという人は多く、死んだ先輩の役者・山本亮もそうで、
「キンキンが出なければ、もっと続いたのに」と言っていた。
この七作目は、舞台が東北で、文太の故郷が、ダム湖に消えた田舎の村とされていて、そこにも行く。
マドンナ役は、大谷直子で、息子が一人いる未亡人で、青森のリンゴ農家の出荷場で働いている。
このシリーズは、言うまでもなく『男はつらいよ』の真似なので、毎回マドンナが出てきて、桃次郎が失恋するが、相手役が問題なのだ。夏目雅子や由美かおる、片平なぎさらで、年が違いすぎておかしいのだ。
そして、連発される下ネタ。本当に少しは慎めよと思ったものだ。
ここでは、冒頭で警察官姿で、実はトルコ風呂の女というのだけで少ない。
アメリカかぶれの男の黒沢年男、仲間の運転手のせんだみつお、サラ金に欺される中年男の谷村昌彦なども出てくる。サラ金の男が、土方弘で、社長が成田三樹夫というのがさすがによい。
模型飛行をめぐる、大谷直子の息子と文太との交流も意外にも抒情的で良い。
最後は、鬼警官の田中邦衛の妻の心臓病治療の医療機器を僻地の村に運ぶドタバタで、無事機器は文太の運転で届くが、速度違反でご用ととなってエンド。
主人公の菅原文太を始め、愛川欽也、田中邦衛など男優は死んでいて、生きているのは黒沢年雄とせんだみつおくらいか。
東京MXテレビ