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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『黒の奔流』 文学座映画だった

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1972年の松竹映画、原作は松本清張、脚本は国広威雄、監督は元新東宝の渡辺佑介。

                           

若手弁護士の山崎努は、偶然引き受けた国選弁護事件の多摩の旅館の女中岡田茉莉子の殺人容疑事件を担当する。

目撃者の証言等は完璧で、有罪と思われたが、新証言の出現で、岡田は無罪となり、検察側は上告を断念したので、一事不再理で、岡田は完全に無罪になる。

野心的な山崎は、事務所の事務員の谷口香を愛人としていたが、先輩の弁護士松村達雄の娘松坂慶子にも手を伸ばそうとしていた。

そして、松村の手引きで、銀行家の中村伸郎の仲人で、松坂と結婚できるようになる。

だが、岡田は、前に山崎と関係を結んでいたこと、さらに本当は自分は殺人を犯していることをネタに、山崎と本気で結婚してくれと言い寄って来る。

困った山崎は、谷口に相談すると、旅行に行って、事故で岡田を死んだことにすれば良いと言う。

その通りに、山崎は湖のある旅館に泊り、釣りを装って岡田をボートに乗せ、湖に連れ出す。

ボートの中で、岡田は言う「あなたは私を殺そうとしているでしょう」

そして、ナイフで岡田は山崎を刺し、二人とも死んでしまう。

弁護士事務所で、中村俊一らの弁護士仲間が、岡田の手紙で真相を知って話す。

「こんなことまですることはなかったのに・・・」

一人谷口が悲しんでいる。

結末は途中で分るが、渡辺はテンポが良いので見られる。

谷口香は、文学座で、山崎努も、元は文学座、中村伸郎も文学座で、ほとんど文学座映画のようなものだった。

中村俊一は、劇団仲間の代表で、ここは今も主に高校生等への地方公演で活動しているはずだ。

衛星劇場

 

 


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