混血歌手サリーメイの『銀髪流れ花』がヒットしたので、作られた日活ロマンポルノ映画。
不思議なのは、『銀蝶・・』が彼女の歌でヒットしたのに、それは東映で作られていて、これは別の名になっていること。
昭和初期の長崎と出る。刑務所から出てきたお万が長崎にやってくる。彼女が殺した相手がやっていた料亭は、ヤクザの家になっていて、その二代目は前野霜一朗郎で、一の子分は長弘と旧日活の連中。
庄司三郎や五條博らも出てくる。この辺がまだ旧日活との繋がりが強いと思えるのは、音楽が小杉太一郎であること。
そこには、山科ユリらのスケバン少女たちもいて、ヤクザと対立している。
長崎なので、港湾施設でのアクションがあるが、すべて横浜港で、新興埠頭の赤レンガ倉庫はまだ現役の荷役が行われている。
いろいろとセックスシーンがあるが、一番の見せ場は、前野がサリーとセックスして麻酔薬を飲ませて眠らせて、裸のサリーメイの白い体に刺青をするところだろう。
また、前野とのセックシーンで、射精のとき、白黒の砲撃の映像になるところで、吉村公三郎の「ミミズ」や『水中の墨汁が広がる」シーンとは比べものにならない。
さすが、大和屋竺のシナリオ。
吉村公三郎の表現には、本当に笑ってしまったものだから。
最後、山科を救うために、前野の組にサリーメイと盲目の賭博師の高橋明が殴り込む。
ここは、ダイニチ映配時代の任侠映画みたいになる。
監督曽根中生
衛星劇場