参議院選挙の開票が進み、当然にも自民・公明が勝利したので、バカバカしいので録画していたのを見る。
創価学会が、製作と券売に協力して大ヒットした森谷司郎監督作品ではない。
日・伊合作のドキュメンタリー的映画である。
森谷司郎は好きだったので見たが、最大の不満は、青森、弘前の連隊がどこをどう歩いているのか、ほとんどわからないことだった。
あれで、両連隊の動きが分った人がいたのだろうかと思った。
ここでは、青森連隊の動きが地図上で、線画も使ってきちんと説明される。
「ああ、ここで迷ったのか」と納得できる。
この大惨事には、何度も不孝な偶然が重なったことが分る。
最終版では、生き残りの方の証言も出てくる。
もちろん、この方も凍傷で、両足の膝下を失っている。
そして、結論としては、明治になってまだ30年で、徳川時代の武士の道徳の「生きて恥を受けるよりも死して名誉をうける」との道徳が強く生きていたからだとされる。
なんどもあった引き返す場面で、彼らは「名誉を求めて」死に至ったのである。
これは、その後ノモンハンからガダルカナルに至る陸軍の敗北でも繰り返される事件だった。
これぞ、誰かが言った「戦後レジームからの脱却」の結果だった。
原作は、新聞記者の小笠原弧酒で、新田次郎も、小説『八甲田山、死の彷徨』の際に元のしたものとのことだ。
この映画が、なぜイタリアと日本の合作になったかは不明。
監督宮田聡
日本映画専門チャンネル