これは、東映の梶芽衣子のではなく、1967年、松竹で水川淳三監督、佐藤友美主演の作品。
佐藤の主演とはいえ、前半は伊藤雄之助の浮気の話である。小さなスーパーの社長の伊藤は、女好きで、出張先の名古屋で、ブルーフィルム上映会場で見つけた佐藤とホテルに行く。
ブルーフィルムの上映というのも、1960年代にはよくあり、地方の温泉街には必ずで、伊東もそれで有名だったとのこと。
伊藤は、佐藤を東京に連れてきてアパートに住まわせる。
伊藤の妻は菅井きんで、彼女や家族には非常にケチな生活を強制している。
佐藤は、マンションで優雅に暮らしているが、そこに名古屋から石立鉄男がやってくる。
彼は、佐藤のおさな馴染みで、ブルーフィルム上映会の受付をやっていた男で、要はポン引きなのだ。
二人で楽しんでいる時に、伊藤がやって来て騒動になるが、その争いの中で、二人は伊藤の首を絞めてしまう。
死んだ伊藤の死体を隠して、二人は元もポン引きと売春婦に戻り、今度は松竹得意の木造アパートで住む。
そこは売春婦の宿で、そこには加賀まり子もいる。本当は、元は彼女の主演だったらしいが、急病で特別出演になったようだ。
この時期、主演女優はよく急病になったもので、大映の若尾文子も、『女賭博師』の時急病になり、代わって江波杏子でヒットになった。
この佐藤友美の代役はヒットにならず、これで終わる。理由は、佐藤の設定は、19歳の未成年であることで、これは当時26歳だった佐藤には無理があったからだと思う。
脚本は、森崎東で、この女性の性格は、後の倍賞美津子主演の「女シリーズ」の原型だとも思えた。
衛星劇場