1963年の日活作品、制作は児井英生なので、小林旭の新たなシリーズを狙ったものだと思うが、これだけで終わり。
金持ちの息子の旭が、探偵事務所を開き、助手は星ナオミ。
最初の依頼人が来て、松本典子で、「失踪した姉を探してくれ」と依頼してくる。
二人は、別々に育って暮らして来て、松本は病院の看護婦、姉はクラブのホステスだった。
旭は、クラブや、その前にいた劇場などを探す。劇場のマジシャンが小沢昭一、クラブのマネージャーが内田良平の悪役ら。
そして、米国にいた二人の父親が遺産を残したので、それを取ろうとした犯罪であることが分る。
そこに元麻薬担当の刑事だった大坂志郎が現れる。
こうなると、内田か小沢が悪いと思えるが、二人は善人であり、大坂はやや悪役的と見える意外さ。
当時劇団民芸の松本典子が、日活に出たのは、これが最初ではなく、石原裕次郎の『花と龍』にも芸者役で出ている。
最後、犯人は意外にも松本の恋人の医者で、麻薬患者の姉ではなく、妹と自分のものとしようとするものであることが分る。
もちろん、犯人は野外のスケート場に逃げるので(群馬当たりだと思うが)、そこから追跡されて崖から落ちて死ぬ。
やや暗い話なので、旭の新たなシリーズにはならなかった。監督は松尾昭典だった。
チャンネルNECO