別に自慢することではないが、私は動物が苦手だ。ついでに子供の出るのも嫌だ。
かつて森繁久弥は、「子供と動物の出るものには出ない」と決めていて、理由は、
「この二つには絶対に勝てないから」だそうだ。
私も、それに似ていて、動物に思い入れしていることが嫌いだった。
その中で、動物への愛を普通に告白している方のユーチューブを見つけて、感動した。
大阪の南に住んでいる「ララいずみ」という方で、鉄道が好きなのだが、町歩きも非常に面白い。
この方の1月の映像で、2年前に閉館した和歌山の、みさき公園動物園を今年再訪した映像なのだ。
この中で、きりんがいて、はじめ園内に入る時に見て、ぐるっと廻って戻って来たとき、
「ただいま」とつぶやいたとあり、ここに感動した。
そして、このララいずみさんは、キリンさん、ライオンさん、くまさんというように、すべての動物に、さんを付けてよんでいる。
私が、動物嫌いになったのは実は理由がある。
小学校のとき、迷って家の庭に入ってきた犬を、「ペロ」と名ずけて私が飼っていた。
もちろん、雑種の中型犬である。
あるとき、家の細い裏道を、非常に大きな犬、狩猟犬のような大型犬が、家の犬ペロを威嚇して吠えた。
そこで、文夫少年は、落ちていた木の枝で、大型犬を追い払おうとした。
すると、そいつは、植木の生垣を破って庭に侵入してきて飛びつき、私を前足で引っ掻いた。
その爪痕は、今も左目の下に残っている。すぐに病院に行ったので、ケガは大したことはなかった。
その犬は、池上駅近くの肉屋のものだった。
今なら、大事件で裁判になるところだが、家はなにもしなかった。
他人の家に勝手に入ってきて、飼い主は鎖も話しているはずだから、絶対に向こうが悪い。
でも、当時のことで何もしなかった。
それ以来、動物は苦手になったのである。
ララいずみさんのように、平常心で動物に接しられる人は羨ましいと思うのだ。