原宿中央署の警部補佃次郎の事件解決もの。
病院の院長野村信次が死に、青酸入りのブランデーを飲んだことによる殺人であることが分る。
佃次郎の西郷輝彦が、さまざまな容疑者候補から真犯人を割り出す推理が中心。
警視庁から来る刑事課長のベンガルが、いつもあらぬ方向に持っていくが、最後は佃の推理がすべてを解決する。
原作は、夏樹靜子で、脚本は佐藤茂、監督は広瀬襄である。広瀬は、大船で結構良い映画を作っていたが、松竹の停滞で、テレビに場を移していた。
犯人は、最初は院長の弟が疑われ、実際彼は、院長の部屋にいて、夜結婚のことを兄である院長に相談しようよしていて目の前で、兄がブランデーを飲んで死んでしまったのだ。
次に、院長の美しい妻一路真輝が疑われるが、彼女は、実は商社マン永沢利矢と恋仲になっていて、彼と河口湖近くで一夜を過ごしていてアリバイが証明される。
最後は、院長の従兄弟で、河口湖で画廊と喫茶店をやっているモト冬樹が疑われるが、それも違う。
本当の犯人は、彼の妻の洞口依子だった。
その殺人の理由は、病院の経営は実は上手く行っていなくて、院長は銀行から5億円の借金をしていて、夫で従兄弟のモト冬樹が保証人になっていた。
だから、病院が倒産すれば、自分たちの店や土地も取られてしまう。それなのに、妻は恋人の浮気をしている。
「こんな重大なときになんだ、それなら院長を殺して2億円の生命保険で病院の借財を解消させよう」と思ったとのことだ。
従兄弟同士とは言え、 病院院長と画廊喫茶では、資産に大きな差があり、それが殺人の動機になる。
この辺は、監督の広瀬襄は、まさに松竹大船的だと思えた。
松竹では、金持ちは悪で、そこへの復讐は、正義と肯定されるのだ。
それは、別に監督、脚本家レベルではなく、指導者の城戸四郎自体の思想がそうだつたのである。
広瀬の作品には以下のようなのがあり、この他に、日活の藤田敏八が監督した『非行少年・陽の出の叫び』も実は彼のものなのだ。
監督 1966.08.13 スチャラカ社員 松竹大船 ... 助監督 1973.05.02 愛ってなんだろう 渡辺プロ 1973.09.15 恋は放課後 松竹大船 1974.04.27 ムツゴロウの結婚記 松竹大船 1975.04.26 スプーン一杯の幸せ 松竹=サンミュージック 1976.03.13 青春の構図 松竹大船 1979.08.04 港町紳士録 松竹 1985.06.29 必殺II! ブラウン館の怪物たち 松竹=朝日放送 1994.09.23 本気!2 (V) 日本映像 1995.03.03 本気!3 (V) 日本映像 1995.12.01 本気!4 抗争篇 (V) 日本映像 1996.04.14 女賭博師 花吹雪お涼 BMGビクター=テレビ東京 1996.08.23 本気!5 死闘篇 (V) 日本映像 1998.08.07 本気!9 憤怒篇 (V) 日本映像=徳間ジャパンコミュニケーション... 脚本 1967.06.05 智恵子抄 松竹大船 1968.06.30 わが闘争 松竹大船 1969.01.25 日も月も 松竹大船 1969.03.29 落葉とくちづけ 松竹大船 1970.10.03 涙の流し唄 命預けます 松竹大船 1974.04.27 ムツゴロウの結婚記 松竹大船 1976.03.13 青春の構図 松竹大船 1979.08.04 港町紳士録 松竹 1990.04.14 男樹 日本映像 1995.01.27 湘南純愛組! (V) 日本映像
BS日テレ