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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『香川1区』

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衆議院香川1区は、高松市と小豆島等を選挙区とする地域で、有権者約30万と結構大きな選挙区である。

                  

ここは、自民党議員で、菅義偉内閣で、初代デジタル大臣も務めた平井卓也と、大島新監督の前作『なぜ君は総理大臣になれないのか』で描かれた小川淳也の対決区で、小川は1賞5敗である。

平井は、三代目の議員であるほか、地元の四国新聞や放送局を持つ、香川の大物である。

春、まだ選挙がいつになるのか不明の5月から始まる。5月で、小川の誕生日なのだ。

そして、地元廻りでは、保守の牙城の小豆島に事務所を作る。

映画『二十四の瞳』の小豆島である。

この年は、大島新監督の父親大島渚が、松竹に入社した年であり、黒澤明の『七人の侍』が公開された年でもある。

だが、この年のキネマ旬報ベストテンでは、1位は『二十四の瞳』、2位も『女の園』と木下恵介作品が上位で、黒澤の『七人の侍』は続く3位である。

高松での運動なども描かれ、総選挙は、憲法七条の解散になり、10月に選挙戦に入る。

この時、かつて玉木純一郎の秘書だった町田順子が、国民民主党でもなく、日本維新の会から立候補する。

小川は、町田に辞退を辞退を申し入れるが、もちろん聞き入れず、それが四国新聞に大きく報道される。

この時は、東京の事務に田崎史郎も現れて、小川の軽率さを指摘するが、小川は反発する。

ここは、唯一、彼の感情の高まりが出るところで非常に興味深い。

そして、選挙戦は、以前とは比較にならないほどのボランティアによる運動で盛上がり、最後は平井に圧勝する。

ボランティアによる小川の運動に対し、平井のは背広姿の男ばかりで、動員と公明党の支持によるものであることが明白に分る。

これを見て、思い出したのは、大学時代にやっていた劇団の芝居のことである。

年に2回、7月と12月にするが、メインは12月で、ここへは8月の夏休みから始まる。

8月の中旬、甲子園大会の頃に、演出、制作、舞台監督、さらに主演をしたい連中が集まり、戯曲を持ち寄って議論する。5,6人である。

当時は、自分たちで自作品を演じるという、つかこうへい以降の自作・自演はなかったので、既成作品をするしかなかったのだ。我々では、三好十郎、宮本研、そしてアーノルド・ウエスカーくらいしかやれる戯曲はなくて苦労したものだ。

そして、戯曲が決まると、演出が役者を口説いて、メインのキャストが決まり、9月の新学期になる。

この辺で主な役者、各スタッフのチーフが決まって劇団の総会が行なわれる。

この辺で大体20人くらいになる。

秋になると、本読み、立ち稽古になり、大道具・小道具、衣装なども作られる。

この辺で、30人くらいの増え、切符のできて、皆に売らされる。

値段は、300円で、ノルマが20枚だったので、6000円だった。

私は、もちろん、売れないので、貯金を下ろしてノルマを消化した。

この頃、いつも200枚以上売ったのがいて、一人は井上瑶こと漆川由美、もう一人は下町の女性のHさんだった。

そして、12月になると、早稲田はもちろん他大学、女子大や専門学校等からも多くの人が集まってくる。

本番の頃には、50人以上にもなり、

「あいつは、どこの誰だ・・・」と知らない人間ばかりになり、公演は盛上がって終わる。

 

この映画でも、小川事務所には、全国からボランティアが集まってくる。

静岡や京都など、まったく無関係な男女が集まっている。これがボランティアによる運動なのだ。

一方、平井陣営は、背広の叔父さんばかりで、演説は地元へトイレを作ったことなどの地域に還元したことばかり。

これだけいろんな人が来たのは、やはり小川の人柄の性だろうと思う。

最後、党の代表選に出るが、3位で、新代表は泉健太になる。

シネマジャック&ベティ

 

 

 

 

 


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