『クナシリ』は、北方領土でロシアが実効支配している国後島のことで、ベラルーシ出身で、フランスにいる監督によってとられた2018年の記録映画である。
そうすごいとは言えないが、なかなか面白い作品である。
この島の貧しさと荒涼としているのはすごい、日本で言えば1950年代の光景であろうか。
「兵器のゴミしかない」とは主人公らしき漁師の言葉で、日露両軍の古い兵器がある。
まるで、郷土愛のない人が住み、作っている土地と言ったら言い過ぎだろうか。
全体として、この荒廃の仕方はかなり異常に見える。
そして、高揚するのは戦勝パレードだけなのだから、戦後がまだ色濃く残っているわけだ。
横浜シネマリン