Quantcast
Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3529

ドラフト以前のスカウト合戦映画『あなた買います』

$
0
0

昨日は、プロ野球のドラフト会議が行なわれた。約130人の選手がドラフトされたが、この中で一軍で活躍するのは1割くらいだろう。そして、この数くらいの現役選手が首になるわけだ。

さて、このドラフト制以前は自由契約で、契約金の高騰が問題になったもので、長嶋茂雄の時は、3000万円と大騒ぎになった。

この前に、立教大学の長嶋、杉浦忠、本屋敷欣吾の3人のうち長嶋は、立教の先輩で南海ホークスの選手だった大沢啓二から毎月小遣いとして2万円もらっていて南海が長嶋に手を付けていた。

だが、実際の契約の際に、南海は「契約金から小遣い分を差し引く」と言われて、長嶋は南海をやめて巨人にした。

杉浦は、まじめな男だったので、南海に入り、本屋敷は、どちらでもなく阪急に入った。

このように自由契約時代は、いろいろと問題があり、1965年の上尾高校の山崎弘之の時は、契約金5000万円と言われ、「高校生に5000万円とは異常だ」として、ドラフト制度の導入になる。

                                         

この自由契約時代のスカウト合戦の映画に『あなた買います』が1956年に松竹で作られていて、結構面白く、また「あなた買います」も流行語になった。

これは、当時毎日オリオンズのスカウトが書いた小説が原作で、監督は小林正樹である。

小林は「出てくる者がみな悪人で面白かった」と言っており、松竹では異色の作品だった。

これは、中央大学のスラッガーだった穴吹義雄をモデルにした映画で、大木実が演じて、キネマ旬報ではベスト10位になっている。

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 3529

Trending Articles