1976年、唐十郎の脚本、監督で作られたATG映画。
出演者に知合いがいたので、試写で見てよく分らなかったが、今回見てもやはり分りにくい。
筋は、一応朝鮮戦争時代に、大学の友人だった安藤昇と宍戸錠は、韓国に行き、兵士の死体処理のバイトをしていて、安藤は、その中で朝鮮人の女を犯している。女は死んだので過去のことと思っていたが、翌日棺桶から女は生き返り、女の子を産んでいる。この女は、母子とも李礼仙が演じている。
宍戸は、韓国から密輸していて、蛤は鉄道ストで腐らしてしまうが、女たちも密航させていた。
全部で9人のはずが、11人いて、李礼仙と父親の小松方正が乗り込んでいたのだ。そして、李は、安藤を殺そうとして来たのだった。
この筋は、 ビデオの箱を読んで分ったことで、ほとんど映像では理解できない。
安藤の子分となる根津甚八が、警察の便所で丹古母鬼馬二とのアクションなど非常にご苦労さんなシーンも多い。
李がストリップ劇場で踊るのは、かつて全国のキャバレーで金粉ショーをやっていただけあり、見事である。
最後は、安藤と宍戸が殺し根津も頭を撃ち殺されて終わる。
製作は、記録映画の富沢幸男で、彼の製作で勅使河原宏監督の『サマーソルジャー』に李礼仙が出ていたところから、この映画になったのだろうと思う。
撮影は、記録映画の瀬川浩で、なかなか美しい画面だった。