1971年の吉村公三郎監督作品、近代映画協会製作で、もちろん脚本は新藤兼人。
この頃、吉村公三郎監督の新作を見に行くといつもひどく、なんだと思ったものだ。
これは、見ていなかったが、できといえばひどいが、通俗性が笑える上に、配役が結構良いので見られる。
小説家小沢栄太郎の家に、小説を書いてきた女の佐藤友美と夫の入江洋佑が来ている。
小沢の妻は、丹阿弥谷津子、娘は新藤恵美で、後には性的女優になるが、ここではまだ少女役。
佐藤の小説はもちろん、大したものではないが、小沢は出版社の伊丹十三に紹介し、本になる。
その過程で、装丁の美術家の細川俊之とも知合い、これらの男と全部関係するとのこと。
丹阿弥も、急死してしまうので、佐藤は小沢の家に入り、当然にも箱根の旅館で小沢とできてしまう。
また、従兄弟の政治家小松方正もでてきて、彼とは高校生時代に関係していたとのこと。
元の小説の主人公は、山田順子で、徳田秋声との関係で有名だった女性である。
戦前の話なら、この自由な女性の生き方も面白いが、1970年代ではまるで意味がない。
とこかく笑えるように筋が読みのとおりに進むので、十分に笑えた。
衛星劇場