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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『カウラは忘れない』

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1944年8月5日、オーストラリア東部のカウラ捕虜収容所から日本人1000人が集団脱走し、234人が亡くなる事件が起きた。

ステーブ・マックイーンは生き延びるために「大脱走」したが、これは違う。

死ぬために脱走したのだから、今の我々には信じられない話だが、80年前の日本人には正当な選択だったのだ。

この一つだけをとっても、『戦陣訓』を下達した東條英機は、許しがたい。

        

それは、いかに日本が戦争に無智であったかを現わすものだ。

近代史でも、ドイツ、ポーランド、ロシア(ソ連)の国境はしばしば変わっていて、住民も移動している。

それが戦争の結果であり、国や領土よりも、住民の命が大事ということである。

日本では、国民よりも国土よりも、天皇が大事だったのだから仕方ないのだが。

90歳を越えた生き残りの人たちも、この話をするようになったのは、つい最近のことだ。

捕虜で、生き残りだなどと言うのは、都会はともかく十分に田舎では村八分だったはずだからだ。

製作は瀬戸内テレビ、途中で芝居を見せる坂手洋二も岡山の生まれのはずだ。

横浜シネマリン

 

 

 


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