1948年11月12日に、東京裁判の判決が言い渡され、その日本ニュースの「ニュース特報」である。
被告人に判決が言い渡され、東條英機以下7人が絞首刑とされる。
中で、東條が大工場で演説するシーンがあり、工場の労働者が全員起立して拝聴している。
言うまでもなく、学徒出陣のフィルムも挿入される。
そして、最後には憲法9条が読み上げられる。
終了後の伊勢真一監督の話では、映画館では大拍手だったそうだ。
この戦後の平和憲法は、苦しい戦争を経てきた日本人にとって、最高の法典だったと思う。
それをひっくり返そうとしている高市早苗や安部晋三は、戦後の日本のすべてに逆らっているのだ。
『森と人との対話』は、1972年に東海パルプによるPR映画で、大井川上流の井川の森を舞台としている。
伊勢監督の遺作となったのだそうだが、井川の森を四季を通して描く。
なかで、以前は「てっぽう」と言って河の中に木材を積み上げ、そこに大木を落として、一挙に下流に流す方法の映像が挿入される。それをケーブルの索道を作り能率化し、木材を傷つけずに運搬する方式の開発が作品の中心。
そして、秋から冬になり、12月30日、全員に給与が支給されて、小屋が閉じられて、一年が終わる。
給与は、もちろん現金である。
K'Sシネマ