1957年に作られた松竹京都の時代劇、監督は福田晴一、主演は高田浩吉、女優は伊吹友木子と東宝から借りた嵯峨三智子、悪役は須賀不二男、チンピラ悪役のスリは北上弥太郎。高田の弟分で三橋美智也が出ている。
高田は、父親の敵がいる潮来にやってくるが、その親分は中気で倒れていて、寝たきりで、斬れず。
潮来への渡し船で、伊吹と知り合うが、彼女はスリの北上に50両を擦られてしまう。
その金は、彼女と姉の嵯峨三智子の身請けの金で、父親が危篤なので、死に目に合わせてあげるための金だったのだ。
北上は、悪の権化の須賀に取られてしまうが、弱気なので逆らえない。
そして、須賀は、嵯峨を「父のいる土浦に行っても良いが、3日間に戻らなければ、伊吹は俺の物にする」という。
ああ、これは『走れメロス』だな、と思う。
その通りに、なんとか嵯峨は、父に会って戻ってくる。
最後は、須賀の悪辣さが暴露されての立ち回りになる。
北上が、高田らの側になったとき、須賀は言う、「裏切ったな」
京都時代劇の決め台詞で「表返ったんだ!」
高田は、すべてを解決して街道を去って行く。
まるで小林旭の『渡り鳥シリーズ』みたいでしょ。
その通り、これの前の高田浩吉の時代劇のチーフ助監督をやっていたのは、神代辰巳で、彼は日活でも『渡り鳥シリーズ』の助監督になるのだ。
衛星劇場