田中邦衛の死が新聞1面であるのに対し、「キックの鬼」沢村忠の死は、通常の訃報欄だった。
沢村忠とキックボクシングの人気は、短期間だったが、大変なものだったと思う。キックボクシング解説者という寺内大吉の解説もインチキくさかったが、元は小説家で僧侶なのだから、仕方のないところだった。彼の沢村忠というのは、リングネームで、学歴が日大芸術学部というのが面白い。彼は、格闘技においても、観客に見せることの重要性をよくわかっていたのだと思う。今日の日本での格闘技の人気を作り出したのは、彼とキックボクシングだったはずだ。キックボクシングを辞めた後は、趣味の外車蒐集と自動車修理業をやっていたとのことで、結構堅実な生き方だったと思う。折口信夫が「相撲は演劇だ」というのにならえば、「格闘技も演劇」なはずで、必要なのは筋書きというシナリオと演出だと思う。それに、それを演じられる演者であり、その意味では沢村忠は、非常によい役者だったと思う。格闘技に興味は大してないが、ご冥福をお祈りする。
沢村忠とキックボクシングの人気は、短期間だったが、大変なものだったと思う。キックボクシング解説者という寺内大吉の解説もインチキくさかったが、元は小説家で僧侶なのだから、仕方のないところだった。彼の沢村忠というのは、リングネームで、学歴が日大芸術学部というのが面白い。彼は、格闘技においても、観客に見せることの重要性をよくわかっていたのだと思う。今日の日本での格闘技の人気を作り出したのは、彼とキックボクシングだったはずだ。キックボクシングを辞めた後は、趣味の外車蒐集と自動車修理業をやっていたとのことで、結構堅実な生き方だったと思う。折口信夫が「相撲は演劇だ」というのにならえば、「格闘技も演劇」なはずで、必要なのは筋書きというシナリオと演出だと思う。それに、それを演じられる演者であり、その意味では沢村忠は、非常によい役者だったと思う。格闘技に興味は大してないが、ご冥福をお祈りする。