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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『燃えよNINJA]』

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欧米の人間は、ニンジャが大好きである。以前、ポルトガル語を習っていたとき、ブラジル人の先生は、日本の武道が好きで来日し、なんとか流の師範の道場に入門し、5段とのことだった。
このひどい映画は、イスラエル製だそうで、ユダヤ系でも物真似はあるのか。原題は、「エンター・ザ・ニンジャ」で、これは『燃えよドランゴン』の「エンター・ザ・ドラゴン」である。白装束のフランコ・ネロが、黒装束、赤装束の忍者と戦っている。山岳地帯で、どう見ても日本ではない。日本で忍者物というと、武家の影の存在なので、暗いが、ここは陽光の下の戦いであり、その明るさに驚く。さて、忍者屋敷に行くと、床の間に髭を生やした老師がいて、黒と赤の装束の忍者が左右に並んでいる。床の間の後ろには、忍の一字。鹿島、香取神宮の掛け軸はなし。あの戦いは、免許授与のためのテストだったのだ。老師は、ネロに巻物を授け、助けを求めるところに行け、と宣う。そして、ネロは、フィリピンにマニラに着く。この映画全体は、フィリピンで撮影されたのだろう。その郊外に農園をやっている友人がいて、その妻は、『わらの犬』のスーザン・ジョージである。フランコらは、アフリカのアンゴラで戦ったとのことで、傭兵部隊だったのだ。アンゴラ内戦は、最後の米ソの代理戦争で、東側はソ連の代わりにキューバ兵が行った。このキューバ兵とアメリカの傭兵との戦いで、現地の風土病だったエイズが彼らに伝染し、そこからカリブ、フロリダに行って、世界へのエイズの伝染が始まったのだ。その農場を乗っ取ろうとする悪人たちがいて、彼らとの戦いになる。
             中に片腕が切られていて、義手の男がいて、間抜けなのだが、唯一その左腕のS字型の義手で、相手の男の一物を攻撃するのが笑えた。悪人に雇われているのがショー・コスギで、黒装束で、ネロに対決する。最後、二人、さらにスーザンが集まるのは、リング状の会場。ここは、鈴木清順の『殺しの烙印』のラストの後楽園ホールを思い出させる。
このひどい映画を見て思ったのは、高倉健主演の『ザ・ヤクザ』も、彼と岸惠子が近親相姦など、ひどい部分もあったが、全体としてそうひどいところはなく、東映の俊藤浩二は、きちんと作らせていたことだ。WOWOWプラス


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