半藤一利氏が、亡くなられた、90歳。氏の業績について、今さら私がいうこともなく、面識もない。ただ、数年前に拙著『黒澤明の十字架』を送り、「黒澤明が徴兵されなかったのは、軍需企業だった東宝の力である」ことを書いた。すると、ご返事があり、雑誌『近代文学』についてのことが書かれていた。平野謙、本多秋五、荒正人らの『近代文学』の同人は、大井広介の力で徴兵を逃れていたとのことだった。それは、大井は、本名は麻生賀一郎で、麻生鉱山の人間だったので、近代文学の人たちを麻生鉱山の職員として、徴兵を逃れたいたというのだ。戦中期、死ぬかもしれない戦争に行くのは、誰でも嫌だったので、徴兵逃れはある意味で当然のことだった。
そして、半藤さんの思想の根底には、1945年3月の、米軍による東京大空襲の体験がある。東京下町にいた14歳の半藤さんは、目の前で人が焼かれ、建物と町が業火に焼き尽くされるのを見たのだ。戦後の自民党の首脳でも、佐藤栄作、田中角栄、野中広務などの戦争体験者には、同様の戦争への思いがあったと思う。
今の、安部晋三、菅義偉のような、「戦争を知らない子供たち」は、戦争をゲームのように取り扱っているが、かつての自民党とは異質な連中である。自民党は、憲法改正を党是としてきたが、ずっとしなかったのはなぜか。それは、現在の天皇制は、平和憲法とセットであることを熟知してたからである。
そして、半藤さんの思想の根底には、1945年3月の、米軍による東京大空襲の体験がある。東京下町にいた14歳の半藤さんは、目の前で人が焼かれ、建物と町が業火に焼き尽くされるのを見たのだ。戦後の自民党の首脳でも、佐藤栄作、田中角栄、野中広務などの戦争体験者には、同様の戦争への思いがあったと思う。
今の、安部晋三、菅義偉のような、「戦争を知らない子供たち」は、戦争をゲームのように取り扱っているが、かつての自民党とは異質な連中である。自民党は、憲法改正を党是としてきたが、ずっとしなかったのはなぜか。それは、現在の天皇制は、平和憲法とセットであることを熟知してたからである。