1968年の江崎実生監督作品で、「無頼シリーズ」3本目。
昭和31年の地方都市、ヤクザの葉山良二の部屋に渡哲也が来て、「一宿一飯の仁義で殺す」という。妻は、扇千景で、アパートの外の公園で、殺し合いになり、渡は中で躊躇するが、名和宏がとどめを刺す。葉山は、死ぬときに『妻は体が弱いので、故郷に連れて行ってくれ」という。渡に殺人を依頼した組の親分は富田仲次郎で、名和らは子分。扇を長野に連れて行く途中で、再度襲われ、扇は病院に入院する。
横浜の聖トーマス病院で、渡が手配したのだ。横浜のレストランの親父は、高品格で、娘の松原智恵子は、山下公園でヤクザに絡まれたときに渡に助けられて、一目惚れしてしまう。また、そのときに渡は、旧友の内田良平と会う。彼らは、戦後の横浜の焼け跡の孤児で、互いに助けあって生きてきたのだ。また、内田の妻の藤江リカは、富田らの仲間の渡辺文雄の妹で、内田は、次第に渡と富田、渡辺との間の板挟みになる。元は、ヤクザとの関係を持っていた高品は、松原智恵子に「渡と付き合うな」と言う。高品の出番は結構多く、『麻雀放浪記』以前では役が大きな方だろう。横浜がよく出てくるが、1968年なので、まだコンテナ船以前であり、大桟橋や新興埠頭が活発に活動している。『紅の流れ星』といい、「渡哲也には横浜がよく似合う」全体に、ニュー・アクション的ではなく、昔の日活映画的である。それは、監督がニュー・アクション以前に監督デビューした江崎実生だからである。美術が西河克巳映画で有名な佐谷晃能であり、非常にきれいで華麗である。最後、渡と富田らは埠頭の塗料倉庫の中で決闘になり、ペンキ缶から赤、青、イエロー等が床に飛び、そこに倒れた男達は、ペンキまみれになる。まるで、黒澤明監督の『酔いどれ天使』のラストシーンのように。
チャンネルNECO
昭和31年の地方都市、ヤクザの葉山良二の部屋に渡哲也が来て、「一宿一飯の仁義で殺す」という。妻は、扇千景で、アパートの外の公園で、殺し合いになり、渡は中で躊躇するが、名和宏がとどめを刺す。葉山は、死ぬときに『妻は体が弱いので、故郷に連れて行ってくれ」という。渡に殺人を依頼した組の親分は富田仲次郎で、名和らは子分。扇を長野に連れて行く途中で、再度襲われ、扇は病院に入院する。
横浜の聖トーマス病院で、渡が手配したのだ。横浜のレストランの親父は、高品格で、娘の松原智恵子は、山下公園でヤクザに絡まれたときに渡に助けられて、一目惚れしてしまう。また、そのときに渡は、旧友の内田良平と会う。彼らは、戦後の横浜の焼け跡の孤児で、互いに助けあって生きてきたのだ。また、内田の妻の藤江リカは、富田らの仲間の渡辺文雄の妹で、内田は、次第に渡と富田、渡辺との間の板挟みになる。元は、ヤクザとの関係を持っていた高品は、松原智恵子に「渡と付き合うな」と言う。高品の出番は結構多く、『麻雀放浪記』以前では役が大きな方だろう。横浜がよく出てくるが、1968年なので、まだコンテナ船以前であり、大桟橋や新興埠頭が活発に活動している。『紅の流れ星』といい、「渡哲也には横浜がよく似合う」全体に、ニュー・アクション的ではなく、昔の日活映画的である。それは、監督がニュー・アクション以前に監督デビューした江崎実生だからである。美術が西河克巳映画で有名な佐谷晃能であり、非常にきれいで華麗である。最後、渡と富田らは埠頭の塗料倉庫の中で決闘になり、ペンキ缶から赤、青、イエロー等が床に飛び、そこに倒れた男達は、ペンキまみれになる。まるで、黒澤明監督の『酔いどれ天使』のラストシーンのように。
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