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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『赤い闇』

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1933年、イギリスの若いジャーナリストのジョーンズは、ソ連に行く。
大恐慌の中で、ソ連のみが好景気だというのはおかしいと思ったのだ。
ソ連に入ると、好意的なルポでピューリッアー賞を取ったベテラン記者もいる。
彼は、実情を調べるため、ウクライナに行くと、異常な飢餓だった。
その記事は、地方の新聞には出るが、中央やアメリカでは問題にされない。
後に、彼は満州を取材中に死んだとのこと。

ロシア革命後のソ連の経済事情については議論のあるところで、同時期にバーナード・ショーなどは大きく評価している。
その後、スターリン独裁の中で、経済不振、独裁と粛清については誰もが肯定できないだろう。
こうした非人間性は、どこから来たのだろうか。
それは、ロシアという国の後進性からだろう。
一口に言えば、アジア的後進性である。マルクスは、社会主義革命は、資本主義の後に生まれるとし、イギリスだろうと考えた。
だが、現実は、ロシアという一番資本主義と民主主義の遅れた国だったという皮肉。
日本と日本軍の非人間性も、こうした後進性からきたものだと私は思う。

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