ドイツの暗号機エニグマを解明する自動機械(マシン)を開発したアラン・チューリングをえがく作品。
この自動機械は、現在のコンピュータになるわけだが、ここでは機械式計算機になっている。
アランは、優秀な数学者だったが、ある日軍隊の研究所に雇用され、ドイツの暗号機エニグマを解明する計画に加わる。
それは、毎夜12時にキーを変化させるので、人海戦術で暗号を解明しても、作戦には役立たないのだ。
彼は、一人機械式計算機の開発に臨み、他の者とは上手くいかない。
そして、担当を増やすために、新聞にパズル問題を出し、ある女性クラークが最優秀で合格する。
周囲との確執や上司の無理解の中で、アランはマシンの開発を進め、ついに自動機械(マシン)を完成させる。
だが、彼は「このマシンでの暗号解読をすぐには使用するな」と提言する。
やたらに使うと、ドイツにマシンの存在がばれてしまうからだ。
そこで、戦場を選別して使用することになる。
アランは、クラークに求婚して結婚するが、本当は彼は同性愛者だった。
そのことは、誰も知らなかったが、ケアンクロスという男は分かっているが、自分がソ連のスパイであることを明かさないことと取引する。
原爆開発にも、ソ連のスパイがいたので、米国に次ぎすぐにソ連が開発できたのは、その性だが、それもイギリス人学者だった。
彼らは、アメリカのみが単独で原爆を持つのは良くないとの考えからだった。
この辺は、イギリス人らしい考え方である。
また、ここで見られるのは、軍の最高機密の暗号解読に数学者を動員するなど、イギリスやアメリカは非常な柔軟さである。
対して、わが帝国陸海軍は、きわめて閉鎖的、独善的で、民間を「地方人」として軽蔑していた。
これが、最終的には「総力戦」の国民すべてを動員することにはならなかったのである。
戦後、アランは、同性愛者として処罰されて投獄された後、ホルモン治療を受けた後に、自殺したそうだ。
イギリスは、1960年代まで同性愛を処罰していたが、これはキリスト教によるものだろう。