1947年12月、ニューヨークでクリスマスプレゼントを買っている、元米軍将校カーク・ダグラスに、ユダヤ人の若者が来て、
「われわれは、パレスチナでアラブ側と戦うが、素人なので教えてくれ」と頼まれる。
欧州ではノルマンディー上陸作戦等で武功をあげたが、もう妻アンジー・ディツキンソンと平安に暮らしたいと思っているが、強い要望で、パレスチナの海岸に行く。
そこでは、欧州の収容所、さらにキプロスから来た老若男女が海岸に上陸しているところ。
イギリスはもとより、アメリカも、ユダヤ人が勝つわけはないと思い込み、アラブとの面倒な紛争を起こすのは嫌っている。
この辺の状況は、今と大きく違っていて面白い。
カークは、弱いものの味方的感情で、ユダヤの若者を指導することになるが、様々な組織があり、バラバラで、武器はおろか、軍服も階級もない烏合の衆である。
エジプト軍のタンクに対抗するのは、ジープに積んだ機関銃というのだからすごい。
だが、そこに空からセスナ機で、パイロットのフランク・シナトラが加勢に来たりする調子の良さ。
1948年5月、イスラエルの建国が宣言されるとエジプト、シリア軍が攻めてくる。
カークは、国防相と協議しつつ、若者を鍛え、指揮し、アラブ軍に包囲されて餓死寸前のエルサレムへの道を開く。
ここが小山のような岩石を大衆動員して壊して、トラックの道路を作ってしまう。
その間にも戦闘は絶えずあるが、少しづつ勝利を得る。
この道路作りは、一昔前の中国の「人海戦術」のように見える。もともと、イスラエルには、労働シオニズムという、やや社会主義的な思想があるので、そこはよくわかる。
見事に道路ができて、宿舎に戻って来た時、彼を知らない兵士に銃撃されて死んでしまう。
これは、第一次中東戦争の時の実話だそうだ。
カーク・ダグラスも、ベラルーシ生まれのユダヤ人だそうで、監督、音楽もみなそうで、ハリウッドのユダヤ系人脈の厚さがよくわかる作品である。
1966年、ミリッシュ・コーポレーション作品だったので、ユナイト映画だったが、今はMGM映画になっている。