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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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銅像にペンキを塗った連中

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アメリカで、かつて英雄とされてきた銅像の主が、実は人種差別者だったとのことで、銅像を引き倒す運動が起きている。
1960年代の日本の早稲田大学構内で、大隈重信の銅像が白ペンキで塗られるという事件があった。

                       

1967年のある日、構内に行くと銅像の前で学生が騒いでいて、見に行くと大隈公の顔が白く塗られている。
日学同(日本学生同盟)の森田必勝がいきり立っていて、「誰がやったンだ!」と叫んでいた。
「知ってるよ」というと言えという。
もちろん、言わなかったが、やったのは私もいた劇団の周辺にいた連中だった。
彼らは、早稲田でいろんなことをやって喜んでいる学生だった。
そして、彼らも含め劇団の連中は、ある館を占拠し、稽古場を作り、芝居をやっていた。
そこに慶応から来ていたのが、つかこうへいである。
その後、群像新人賞で村上春樹の『風の歌を聴け』を読んで大変に驚いた。
そこには、その変な連中のことが虚実まぜて記述されていたからである。
早稲田の本の一時期にいた連中のことなど、関係していた者でないと知らないはずだからだ。
後で、聞くと村上は、その館を占拠していた集団にいたことがあるのだそうで、なるほどと思った。
と同時に、あそこに村上春樹のような優秀な人間がいたとは、これは本当に驚きだった。

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