Quantcast
Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3529

『弁天小僧』

$
0
0
これが、映画の面白さだ。
これを最初に見たのは、たぶん新宿昭和館あたりで、途中に挿入される芝居仕立ての場面の面白さに驚いた記憶がある。
そして思ったのは、「伊藤大輔は若いなあ」ということだった。

話は、弁天小僧で、もちろん市川雷蔵が演じる。
対立するのが、旗本愚連隊の河津清三郎、須賀不二雄らで、雷蔵の方には、田崎潤、黒川弥太郎らがいる。
弁天が、大名の屋敷から救い出してくる娘が青山京子で、初め雷蔵はもちろん手籠めにしようとするが、なぜかできない。
不良少年の純情さである。
河津らは、品行不良が問題になり、叔父で老中の中村鴈治郎から、
「11歳の息子に家督を譲って隠居せよ」と命じられ、息子を浜松屋・香川良介の娘近藤恵美子と結婚させて身代も取ろうとする。
それを弁天らは、屋敷に乗り込んで潰すが、遠山金四郎の勝新太郎の手が迫っていて、江戸から逃走することになる。
「自分は、浜松屋の息子だった」ことを明かして、雷蔵は自害して果てる。
ともかく、監督の伊藤大輔をはじめ、出演者全員が歌舞伎を熟知しているので、筋の運びも非常に上手い。
最後の、河津の屋敷に乗りこむあたりから、ラストの雷蔵の自害への盛り上がりは最高!

続いて、田中徳三監督の『濡れ髪牡丹』も見る。前半は退屈だったが、後半は盛り上がるのは、さすが。
雷蔵と共演の京マチ子が上手いが、彼女の演技はすべて踊りである。
横浜シネマリン

市役所の先輩の村岡さんと一緒に見て飲んだ後、家に戻ると青山京子の死が出ていた。

        
84歳、言うまでもなく青山京子は、小林旭と結婚し手引退した。



Viewing all articles
Browse latest Browse all 3529

Trending Articles