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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『寒椿』

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日本映画に遊郭ものは多いが、正直に言って好きではない。
これも感心できなかった作品の一つである。
監督降旗康男、脚本那須真知子、原作は言うまでもなく宮尾登美子。

        

昭和初期、高知の遊郭・陽暉楼での話だが、そこに女たちを斡旋する女衒の西田敏行が主人公。
博奕好きの父親笹野高史に売り飛ばされた娘南野陽子がヒロイン、南野程度で2時間持たせるのは無理だろうと思うとその通りだった。
彼女の貧乳が最大の見せ場なのだから製作者の苦心が分かる。

昭和初期の時代を出すのが大変で、サイドカーの他に、ここでも食堂で蓄音機が出てくるが、手回しの蓄音機。
ここで再三書いているが、風俗施設は、新しいものを喧伝するので、1930年代だったら電蓄だったと思うが。高知は遅れていたのだろうか。
私の知り合いで、高知生まれがいて、高知では、県庁、農協、地元銀行くらいしか就職先がないので、横浜で就職したとのこと。
昭和初期の高知は、こんな大きな遊郭があったほどに産業があったのだろうか、非常に不思議である。

ここでは、元相撲取りの高島政宏との純愛、普通選挙実施での政友会と民政党との争い、地元金融機関の競争等があり、筋は分かりにくい。
西田敏行を好きか、嫌いで、この映画の評価は決まると思う。
サイドカーに乗る西田の顔を笑うか否かだが、私には「サイドカーにブタ」としか見えなかった。

日本映画専門チャンネル

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