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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『わかれ雲』

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1951年の、スタジオ8作品で、新東宝から公開された。東宝争議の後、監督の五所平之助、製作の平尾郁次が作った製作プロダクションで、ここには撮影の三浦光雄や後に日本ATGを作る井関種雄らも参加していた。

           

小渕沢に降りてきた女学生の中で、沢村契恵子は、発熱して倒れてしまう。近年のドラマだと、即妊娠となるが、診療所の医師沼田曜一の診察で、肺炎と診察される。
農村の調査に来た女学生は、大塚道子、岩崎加根子、関弘子、宮崎恭子らで、若手新劇女優である。沢村は、歌舞伎の沢村宗十郎の娘だとのこと。
彼女の母は死んでいて、義母福田公子と上手くいっていないために、やや素直さに欠ける娘となっている。
旅館の主人は中村是公、妻は西洋かぶれの岡村文子、娘はダンス好きの倉田まゆみ、その他、町の人間とした柳谷寛など。
女中に川崎弘子がいて、彼女のやさしさに、次第に沢村の心が開けてきて、最後は東京に戻ったら義母と上手くやっていこうとなる。
また、へき地の医師の沼田や分教所の教員稲葉義男らの姿を見て感動し、沼田と一緒になることが示唆される。
驚くのは、農林省の課長で、沢村の父三津田健の足袋は、1年2足とのことで、沢村が継あてをしていることだ。
私も、当時は靴下はよく穴が空いたので、継あてを縫ったものであることを思い出した。
音楽は斎藤一郎だが、『ともしび』が歌いあげられていることで、ロシア民謡全盛時代である。
私は、このロシア民謡、そして歌声運動が大嫌いで、カラオケに行っても、この種の歌を歌う連中がいるのにはいつもうんざりする。
阿佐ヶ谷ラピュタ

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