1954年の島耕二の脚本・監督作品で、もちろん大映。
浅草の劇場の踊子が京マチ子、妹で浦辺粂子のおでん屋を手伝っているのは若尾文子。これは京マチ子と鶴田浩二の共演が売りの映画で、鶴田はその劇場の新進作家で、京マチ子と愛し合っている。
若尾は、若い画家の根上淳と恋仲だが、やくざの高松英雄が邪魔をしている。また、京マチ子は、この若尾と根上の結婚に強く反対している。
劇場の演出家の見明凡太郎が首切られたり、鶴田と高松が決闘する筋があるが、問題は幼い時に捨てられた京と若尾の父親が誰かで、実は今は有名画家となっていて、根上の父の滝沢修であることが分かる。
つまり、若尾と根上は兄妹になり、歌舞伎で言えば畜生道なわけで、その性で京は反対していたのだ。
最後は、鶴田の手はずで、京マチ子と若尾が滝沢に会って和解し、鶴田と京マチ子は無事結ばれることが示唆されて終わり。
若尾と根上はどうなるのかは不明。
これは川口松太郎の原作だが、どこか日本画家の伊東深水のことをモデルにしているように思えた。
角川シネマ有楽町