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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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ピート・シーガー、死去

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毎日、朝起きると7時からインターFMのバラカン・モーニングを聞くことにしているが、いきなり『ライオンは寝ている』が流れて来た。

正確には『ライオンは寝ている』ではなく、ピート・シーガーらザ・ウィーヴァーズが歌った『ウィモウェ』である。

元は南アフリカ曲で、それをシーガーらが歌い、さらにトーケンズが『ライオンは寝ている』として歌い大ヒットしたものである。

日本では、伊藤素道とリリオ・リズムエアーズが歌っていたはずで、「このリンゴ割った、リンゴ割った」で有名である。

さらに番組を聞いていると、このピート・シーガーが94歳で死去したとのことだった。

彼についての知識は、中村とうようさんらを通じてのものだが、ピート・シーガーは現代のアメリカのフォーク・ロック・ムーブメントの産みの親と言って間違いないだろう。

オバマ大統領が選出された時の記念コンサートでは、ピートとブルース・スプリングスティーンが一緒に出たはずで、ロック歌手からも大きな尊敬を受けていた。

立場はまったく逆だが、日本で言えば、北島三郎のような存在になっていたと思う。

シーガーは、アメリカの共産党員だったこともあり、1950年代の「赤狩り」では、委員会の聴聞呼出しも受けているほどの活動家であり、1960年代への公民権運動では大きな役割を演じた。

ヒット曲は多数あり、『花はどこに行った』『ターン・ターン・ターン』『ウイ・シャル・オーカーカム』など、どれも社会や政治情勢と結び付いた曲を作っており、また多くの民衆の歌からヒントを得ている。

どれも平易でわかりやすく、だがその底にメッセージが込められている。

『バラカン・モーニング』は、北中正和さんの『ワールド・ミュージック・タイム』がなくなった今日、幅広い音楽を的確な批評性で紹介される唯一のFMラジオ番組だと思う。

私は、特に愛聴したわけではないが、世界中の音楽に影響を与えた偉大な歌手のご冥福をお祈りする。

   写真は、ネットから取ったもの、中央の女性は、ルーズべルトの夫人だったエレノア・ルーズベルト


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