沢島忠、死去、92歳。
東映の全盛時代、京都で数多くの時代劇映画を作った沢島忠監督が亡くなられた。
ともかくどれもが面白い作品で、キネマ旬報ベストテンに入るような作品は1本もないが、沢島忠を日本映画史に残る名監督と言って間違いないだろと思う。
時代劇ミュージカルなどという信じがたい作品を易々と作ってしまった才人である。
中で、私が好きなのは、美空ひばりと江利チエミの共演のミュージカル『ひばり・チエミの弥次喜多道中記』である。
そしてこの人の功績としては、1963年に鶴田浩二主演で『人生劇場 飛車角』を作ったことで、これが日本映画史のやくざ映画の始まりを作ったのである。
だが、一般に言われているのは、鶴田浩二と俊藤浩司によって東映から沢島はたたき出されたとされている。
どういう経緯があったのかは、分からないが、沢島らがやってきた時代劇は、ある意味で絵空事の劇で、その後のやくざ映画の現実的な世界とは違うといえるだろう。
東映を出たのちは、主に美空ひばりの舞台の作・演出をやっていて、私もコマ劇場で何本か見たことがあるが、そう優れたものではなかったのは、東映時代のような優秀なスタッフに恵まれなかったからだろうか。
日本映画界に偉大な足跡を残された名監督のご冥福をお祈りしたい。
1957.04.02 鳳城の花嫁 東映京都 ... 助監督 1957.12.15 忍術御前試合 東映京都 1958.02.05 江戸の名物男 一心太助 東映京都 1958.04.01 ひばり捕物帖 かんざし小判 東映京都 1958.07.13 殿さま弥次喜多 怪談道中 東映京都 1958.07.30 若君千両傘 東映京都 1958.10.22 一心太助 天下の一大事 東映京都 1958.12.15 若さま侍捕物帖 紅鶴屋敷 東映京都 1959.01.03 殿さま弥次喜多 捕物道中 東映京都 1959.03.03 右門捕物帖 片目の狼 東映京都 1959.04.01 お役者文七捕物暦 蜘蛛の巣屋敷 東映京都 1959.07.07 お染久松 そよ風日傘 東映京都 1959.07.26 江戸っ子判官とふり袖小僧 東映京都 1959.11.29 一心太助 男の中の男一匹 東映京都 1960.01.15 殿さま弥次喜多 東映京都 1960.03.01 右門捕物帖 地獄の風車 東映京都 1960.03.29 ひばりの森の石松 東映京都 1960.06.05 暴れん坊兄弟 東映京都 1960.09.18 海賊八幡船 東映京都 1960.11.22 森の石松鬼より怖い 東映京都 1961.01.03 家光と彦左と一心太助 東映京都 1961.04.09 富士に立つ若武者 東映京都 1961.05.17 白馬城の花嫁 東映京都 1961.07.19 水戸黄門 助さん格さん大暴れ 東映京都 1961.09.23 若さま侍捕物帳 黒い椿 東映京都 1962.01.03 ひばり・チエミの弥次喜多道中記 東映京都 1962.01.14 大江戸評判記 美男の顔役 東映京都 1962.06.03 サラリーマン一心太助 東映東京 1962.09.01 酔いどれ無双剣 東映京都 1963.01.09 ひばり・チエミのおしどり千両傘 東映京都 1963.01.15 一心太助 男一匹道中記 東映京都 1963.03.16 人生劇場 飛車角 東映東京 1963.05.25 人生劇場 続飛車角 東映東京 1963.09.14 おれは侍だ! 命を賭ける三人 東映京都 1963.11.01 おかしな奴 東映東京 1964.03.01 人生劇場 新・飛車角 東映東京 1964.09.16 間諜 東映京都 1965.02.25 いれずみ判官 東映京都 1965.05.22 股旅三人やくざ 東映京都 1965.09.18 新蛇姫様 お島千太郎 東映京都 1966.01.26 小判鮫 お役者仁義 東映京都 1966.04.13 のれん一代 女侠 東映京都 1966.12.13 冒険大活劇 黄金の盗賊 東映京都 1968.09.07 北穂高絶唱 東京映画 1969.06.28 ボルネオ大将 赤道に賭ける 東京映画 1969.12.05 新選組 三船プロ 1971.04.15 幻の殺意 コマ・プロ 1971.11.20 女の花道 東京映画=日本コロンビア 1977.03.19 巨人軍物語進め!!栄光へ 日本映画新社