港南中央のTSUTAYAに行くと、あった。題名からみて、新東宝だと思うと大映だった。
監督はもちろん湯浅憲明で、脚本は長谷川公之、なぜこんな古臭い映画が作られたかといえば、原作が楳図かずおで、人気だったからだろう。
児童養護施設、昔の言葉で言えば孤児院から、小百合・松井八知栄が父親の北原義郎に豪邸に連れて来られる。孤児院から自分の家に連れて来られるとは事情があるなと思う。生まれたときに、産院で取り違えられたことがあったことが後に分かるが、当時は病院での赤ん坊の取り違え事件がよくあって大騒ぎになっていた。
北原は、動物学者らしく、地下室には多量の蛇が飼育されていて、母親は浜田ゆう子で、姉の高橋まゆみがいて、これが蛇娘である。
北原が研究のために外国に行ってしまい、一人残された松井に次から次へと恐怖の体験が襲う。
高橋は、松井の美貌を恨んで様々ないじめをし、浜田もどこか松井に冷たいが、どこまでも明るく可憐な松井は、すべてを受け入れて生きる。
だが、最後に女中の目黒幸子が白髪魔の実態を現し、松井を襲おうとし、彼女は孤児院の青年の平泉征の協力で、目黒や高橋を退治して無事助かる。
目黒のような女優が、女中と小さな役なので、きっと何かあるとその通りだった。
大映末期の狂い咲きのような珍作だった。
松井はテレビの人気子役だったそうで、芝居は非常に上手いが、役者はやめてプロボーラーになったとのこと。大映のその後を考えれば、賢明な選択だったと思う。