1957年の東宝で公開された宝塚映画。原作は菊田一夫、監督は佐伯幸三、撮影は岡崎宏三で、カラー・スタンダードサイズ。
日本でも各社がシネスコになるのは、この年夏ごろからである。
始まってタイ舞踊のような踊りが披露されるが、タイトルがない。下村健さんによれば、これはプリント原版で、これにオプチカル処理をしてタイトルを入れたもので、そのオプチカル処理前の版だろうとのこと。
タイ舞踊から始まるが、、日本人との混血の宮城まり子の歌に「焼き鳥ソング」があり、きちんとサテーと言っていて、「テレマカシ」も出るので、インドネシアのことだろう。
南方に向かう輸送船が攻撃されて島に着く。船には、元刑事の三木のり平、スリの有島一郎、パーマ屋の谷晃、太刀川洋一など、多様な連中が乗っていて小隊長は河津清三郎。その他、岩井半四郎もあるが筋はなし。
要は、のり平と有島の掛け合いの芸、突如現れる森繁久彌のインチキ踊り、なぜかいる榎本健一とトニー・谷の宝探しの怪しげな二人組などの歌や踊りを見せるのが主眼で、テーマなどはどうでもよい。
一応、村娘の草笛光子と兵隊でインテリらしい佐原健二の恋愛もあるが。
最後は、もちろん、1945年8月15日の敗戦で、みなが帰還するところで終わり。
「昔の芸人は芸があったな」とつくずく思う作品だった。
ラピュタ