ネットがすごいと思ったのは、池上にあった池上映画劇場について、載っていたことだ。誰が書いたのかはわからないが。
ただ、そこには私の記憶と少し違う部分もある。
そこは、池上駅の近くだが、少し離れたところにあり、当初は東宝と東映の館だったと思う。
東映のシネマスコープ第一作の『鳳城の花嫁』はここで見たし、東宝の水野久美、上原美佐、三井美奈のスリー・ビユーティズの紹介短編もここで見た。本編は何だっかはよく憶えていないが。
『地球防衛軍』や『モスラ』は、ここで見た。
当時は、こういうご挨拶映画があり、新人監督への昇進試験映画だったそうだ。
スリー・ビユーティズ映画も、冒頭はスタンダードサイズで始まり、それがいきなり拡大してシネマスコープになるというものだった。
大島渚も『明日の太陽』で、ニューフェイス紹介の作品を作っていて、この時は「この大島はじきに監督になる」として大船撮影所自体が大騒ぎになったそうだ。
池上では、東映の全盛で、池上東映ができ、池上映画劇場からは東映作品はなくなった。
ただ、東映でも封切館だったかは不明だが、私は『特ダネ30時間シリーズ』などを見ている。
ここはすぐになくなってスーパーになった。
一方、池上映画劇場は、大映の作品も上映していて、市川崑の『おとうと』はここで見た。
1960年代の映画不況の中で、ここは釣堀になり、映画やテレビのニュースにも取り上げられた。
そして、今は大きなマンションになっている。映画館が廃館した後は、スーパーやパチンコ屋になった例が多いが、ここは少し駅から離れていて便利な場所ではなかったので、マンションにしたのだと思う。
いずれにしても、系列館以外の独立館は結構多かったのである。