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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『地獄の曲り角』

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シネ・ヌーヴォの蔵原惟繕特集の『地獄の曲り角』は、サスペンス映画だった。

設定は横浜らしいがホテルのボーイの葉山良二が、偶然手にした鍵の半分から起きる物語。

ボーイの同僚は、大泉侃、柳瀬志郎、近藤宏などで、彼らはホテルの密会客の情報をヤクザの組長高品格に流して金を得ている。情報を聞くと高品らは、車で追跡し脅かすのである。

こんな方法があったのかは不明だが、脚本家故笠原和夫さんは、大日向伝がやっていた銀座のホテルにいて、様々な事情の客がいたことを書いているので、あるいはあったのかもしれない。

ホテルは、立派な車寄せのある建物で、こんなのは当時横浜にはなかったと思われ、東京で撮影しとぃると思う。

ホテルの部屋で殺人事件が起き、葉山は警察が来る直前に部屋に入り、鍵の半分を手にしてしまう。

すると事件のことを聞きに来る女性客の南田洋子が現れ、葉山は彼女を通して鍵の秘密を知る。

それは贈収賄事件の内実を書いてある当事者のノートで、郵便局の秘書箱にあり、もう半分は刑務所にいる南田の元愛人の二本柳寛が持ってるのだとわかる。

葉山には、花屋の店員の稲垣美穂子がいるのだが、金欲しさから南田と愛人関係になり、出獄してきた二本柳からも、もう半分を奪取して、無事ノートを手に入れ、土建業者、政治家、役人をホテルに集め、大金を手にする。

だが、南田は葉山を裏切って、金の入ったカバンが置いてあった車をホテルから自分で運転して逃げる。

しかし、車は葉山らのやられて組を失った高品によってタイヤのネジが緩められていて、南田は横浜の新港ふ頭から神戸に逃走しようとしていたが、運転を誤り衝突炎上してしまう。

追跡してきた葉山は、必死になって火の中からカバンを取り出すが、残っていたのは燃えカスの札束だった。

再度、逃走する葉山だが、その後ろをもう一人のヤクザの男が追跡していた。

蔵原が、こういうサスペンス映画を作っていたいうのは驚きだが、出ている役者が葉山良二、稲垣美穂子、二本柳寛と、裕次郎以後のアクション路線とは前の連中であったことが大変に興味深い。

 


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