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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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日本映画で照明部が独立しているのは、スターのためである

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先週の横浜みなと映画祭でも、篠田正浩監督が言っていたが、世界の映画界では、照明はカメラマン(撮影監督)が担当して指示するもので、照明部が独立してあるのは日本だけなのである。

歌舞伎の白塗りから来たのだと思うが、サイレント時代のスターはともかく白く見られることを望んだ。

藤林甲という照明マンがいたが、彼は長谷川一夫の専属の照明であり、松竹から東宝、新東宝と長谷川について動き、最後は製作再開された日活に行き、石原裕次郎を担当した。

1962年春、藤林をはじめ、撮影の山崎善弘、美術の松山宗などの各部のボス連中は、裕次郎の大作『零戦黒雲一家』のため、撮影現場の種子島に2か月間行ってしまい、多摩川撮影所を留守にした。

その時、助監督部の若手根本悌二が各部の連中を集めて組合を結成した。これが次第に力を発揮し、1971年のロマンポルノへの転換も主導した。

そして、ついに根本は、組合委員長から社長へとなってしまった。

因みに、照明は昔は非常に器具が大きくて重かったため、美術部と同様に「肉体労働」の職場であり、どこでも組合の強い部署だったのである。

 


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