金曜日の夜には、『ゴジラは円谷英二である』のトークイベントやった。
今年最大の寒波にも係わらず、ご来場いただいた皆さんには厚くお礼いたします。さらに、ゲストとしてお迎えした神奈川新聞の服部宏さんには、貴重なご意見をいただき誠にありがとうございました。
当日は、映画『馬』、『ハワイ・マレー沖海戦』、『君の名は』、そして『ゴジラ』の4本を上映しつつ、話をしました。
中で一番驚かれたのは、1952年の松竹映画、佐田啓二と岸恵子主演の『君の名は』の冒頭の東京大空襲のシーンだった。
これは、戦後公職追放になり、東宝を辞めて浪人していた円谷英二の浪人時代最後の作品で、1945年4月24日の大空襲を特撮で再現したものなのである。
有楽町付近で米軍の空襲に遭った春樹と真知子は、町を逃げ回り、最後は防空壕に逃げ込んで九死に一生を得る。
そこが、執拗に超低空で飛んでくるB29の機影の不気味さ、諸所で爆発する焼夷弾の恐怖、倒れてくるビル等の破片など、大変な迫力である。
普通、『君の名は』というと、メロドラマと思い込み、真剣に見ないものだが、この作品の第一部は、非常に良く出来ていて感動的である。
だが、二部、三部となるとかなりボルテージが落ちてきてくだらないが、第一部は本当に作者たちの心のこもったものになっている。
また、服部さんからは、多分大和の東映で最初に見た映画『紅孔雀』の感動と超満員で館内のポールの前に立って見たので、押されて胸に傷ができたことなどの貴重な体験も言っていただいた。
確かに、当時映画館はいつも満員で、ぎゅぎゅうづめの中で見たものである。
今や、定員制・入れ替え制で、そうしたことは、消防法等の規制でできないようだが、なんとも不自由な時代になったものだと思う。