ポーランドの映画監督のワイダが亡くなった、90歳。『灰とダイヤモンド』は、非常にパセテックな作品で、大いに感激したものである。
今や東京都の問題の諸悪の根源の石原慎太郎とどういう関係があるか、と言うと同じオムニバス映画を監督したことがあるのだ。
フランス映画『二十歳の恋』で、ワイダの他、トリフォー等が監督として参加したが、日本の監督が石原慎太郎だったのである。
高校生の私も、1964年ごろに新宿にあった日活国際名画座で見たが、当然各国はバラバラな作風で、それほど大した作品とは思えなかった。
ワイダのものは、あのチブルスキーが主演で、若い世代との違和感を表現するもので、それなりに見せた。
石原慎太郎のは、小松川の女子高校生殺しを題材としたもので、後の大島渚の『絞首刑』と同じである。
ただ、非常に暗い作品で、女子学生の田村奈巳の美しさのみの作品だった。
このワイダと同じ作品を石原慎太郎が監督したということは、1960年代の初めでは、一応石原慎太郎は、若い世代を代表する「前衛的」な人間とみなされていたということである。
今から考えると、到底信じがたいが。