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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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安田公義作品2本

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先週は、安田公義作品を2本見た。1956年、新東宝の『右門捕り物帖・帯解仏法』と1969年の大映の『東海道お化け道中』である。

安田公義は、1966年に安田道代と石立鉄男の『殺人者』を川崎の映画館で偶然に見て、非常に驚いた、「この監督は凄い」と。

これはまったく評価されていない映画だが、『わらの犬』のような作品で、大変によくできていたと記憶している。

山中貞雄作品のリメイクの『右門捕り物帖・帯解仏法』は、期待外れだったが、『東海道お化け道中』はなかなか面白かった。

                         

 

東海道の鬼塚で、ヤクザが対立する組の親分を殺すが、塚守りの左卜全に「ここで殺生すると罰が当たるぞ」と言われるが、目撃されたのは面倒だと殺されてしまう。

悪いヤクザの親分は、山路義人で、彼は松竹だが、この頃は5社協定も緩くなっていたので、他社に出ている。

左卜全の家には、幼い少女お美代がいて、本当の父は生きていると言われ、彼女は由井に行くことになる。

途中で、善玉の主人公の本郷功次郎と遭い、二人で由井に行くロードムービーになるが、少々道行の方向がよくわからないのは、この映画の唯一の欠点。

山路の手下やなどに妨害されるが、最後由井で、お美代は、本当の父親で山路の下にいて悪いやくざになっている戸浦六宏と遇う。

戸浦は、お美代が持っていたイカサマの骰子から、自分の娘であることを知る。

最後は、山路との骰子の勝負になるが、お美代と戸浦が勝つ。

人情もので締めるのは、さすがに上手いと思う。

勿論、本郷と五味竜太郎たちとの殺陣もある。大映京都得意の黒光りする屋敷や曲折した路地も出てくる。

この美術、撮影、役者が充実していた撮影所が、今は何もないというのは信じがたいことである。

チャンネルNECO

 

 


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