石原慎太郎は、自作の『太陽の季節』の他7本の映画に出ている。
『太陽の季節』や『狂った果実』は、特別出演的だったが、3本目の『日蝕の夏』は主演作だった。
内容は太陽族ものだったようだが、監督は堀川弘通の2本目で、批評には「つまらぬ話を馬鹿のように真面目に撮っている」と言うのもあったそうだ。
この時の堀川監督は、
「太陽族の先駆けである石原が、臆病なほど慎重な男だったのは意外だった」と書いている。
それはその通りで、石原兄弟の父親の石原潔は、山下汽船の重役だったが、52歳で急死してしまい石原家は貧困になった。その上に、石原裕次郎は、酒、女、麻雀等の放蕩でひどかったようだ。
若くして家長となった石原慎太郎が、慎重になったのは当然だろう。だから、彼は大学を卒業し、東宝を受けて合格する。だが、『太陽の季節』が芥川賞を取り、多忙になったので東宝入社を辞退したのである。
このように、彼はいつも慎重な行き方をしているが、その象徴が「後出しジャンケン」であり、「敵を欺くには味方を」で、4期目の時辞退を宣言し、松沢成文は自分が当選すると思いこんだ。
だが、やはり石原慎太郎は、東日本大震災を口実に出馬した。これなど本当に、「敵を欺くには味方を」で、だまされた松沢が馬鹿ということである。
ともかく、彼のような「卑怯な男」の本質をいい加減日本人は気が付かないのかと私は思うのである!