テレビ朝日で、実録ドラマとして1982年8月に松山で起きたホステス殺人事件の後、15年間逃亡し、時効直前に逮捕された福田和子のことが寺島しのぶで放映された。
これを見て思うのは、1963年に起きた西口彰事件である。
西口は5人を殺害したが、彼がすごいのは、その時々のケースに応じて、個々の人間になってしまい、それによって皆が騙されてしまうことだった。
福田和子も同様で、その時々、場合で適応した女性になってしまい、周りの人間を納得させてしまうのである。
その意味では、天性の役者であり、クラブのホステスは適任だったと思う。
だが、よく考えれば、こうした人間は、一種の多重人格であり、人間性が崩壊しているともいえるのではないかと思う。
福田和子については、昔大竹しのぶも演じたことがあるそうだが、今回の寺島しのぶも適役で演じた。
また、彼女を見破る福井の居酒屋の女将は、キムラ緑子で、これもさすがだった。