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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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川津祐介が演じた森新太郎と宮崎謙介

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アマゾンで買った関川秀雄監督の『いれずみ無残』という無残な出来の映画を見ていた。

                

 

これは羽衣の女という彫物を持つクラブのマダムの荒井千津子と、弁天小僧の刺青の川津祐介が出会い、あたかも二つの刺青が呼び合うようにくっ付いたり離れたりする映画である。

そこに、荒井を慕うズベ公の松岡きっ子が出て来て、荒井とのレスビアンになるという作品である。

松竹には珍しい、刺青とレズで、大ヒットし、これが1968年4月に公開された後、なんと1か月後の5月に『新・いれずみ無残』が公開されている。

実は、この『いれずみ無残』は、公開時に新宿の昭和館で見ている。だが、当時は気が付かなかったが、川津が演じた森新太郎という詐欺師の男は、生来の嘘つきで、自分の嘘に酔ってしまう人物なのことがよくわかった。

世の中には、こうした異常な人間がいるもので、その典型は今村昌平が映画『復讐するは我にあり』で、緒形拳が演じた西口彰という詐欺師の殺人鬼である。

彼は、その場、その場で、求めている人間になってしまい、それを見事に演じて、周りのすべての者をだましてしまう。

その果ては殺人になるのだが、この西口の本質は、詐欺師である。

さて、無残映画『いれずみ無残』を見終わると、テレビで、「ゲス不倫議員」とされた宮崎謙介議員が記者会見をやっていた。

非常に大げさに演じているものだったが、テレビは恐ろしいと思う。

こいつはなんとか「悲劇的」で「不運」な、しかしそれでも運命に戦う男を演じていることがはっきりと見えてしまった。

こういう軽薄な男になぜ女性は騙されるのだろうか、と思うかもしれない。だが、この男は自分をもだまし自己陶酔しているので、そう簡単には他人は、その演技を見破れないのである。

因みに、映画では、荒井千津子と川津祐介は、すべてに行き詰って最後は心中して終わるのだが。

 


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