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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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小津安二郎と原節子は関係があったのだろうか

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今度、小津安二郎の本を出したというと、必ず聞かれるのが、「小津安二郎と原節子は関係があったのか」である。

結論的に言えば、全くなかったと私は思う。

第一の理由は、二人の年齢差で、1903年生まれの小津と1920年生まれの原では17歳の年齢差がある。近年は、「年の差婚」などがあるが、年代による文化的格差の大きかった1960年代までの日本で、17歳の年の差は非常に大きく、恋愛対象にはならなかったと思う。

第二の理由は、1950年代当時、小津安二郎には、戦前からの愛人だった小田原の芸者森が、彼女が庇護者の力で築地に料亭を出し別れてからは、大船撮影所の楽団の一員だった村上茂子と関係を持っていたからである。

因みに彼女は、『東京物語』で、熱海でアコーディオンを弾く演歌師として出てくるので、ご覧いただきたい。

同時に複数の女性と関係するほど、小津安二郎は不誠実だったとは思えず、彼と原節子とは関係がなかったはずだ。

さらに、戦時中から原節子には、関係する男もいたのであり、これについてはあまり愉快な話ではないので、書かないが、本当のことである。

そんなスキャンダルめいた話は、小津安二郎映画の本質に関係ないというのが、私の考えである。

詳しくは、拙書『小津安二郎の悔恨』をお読みいただきたい。


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